ナイキのバッシュの洗い方決定版!足汗臭を重曹で消す理系ママの技

プロの知恵・クリーニング活用術

毎日のお洗濯、本当にお疲れ様です。「洗濯ログ」管理人のカヨです。我が家には高校生、中学生、小学生の3人の子供たちがいるのですが、スポーツをやっていると、持って帰ってくるシューズの臭いと汚れは本当にすさまじいものがありますよね。

特にナイキのハイテクなバスケットボールシューズ(バッシュ)は、激しいステップでかいた大量の足汗や皮脂、コートのホコリがインソールの奥深くにまで染み込んで、ツンとする強烈な悪臭を放ちがちです。「よし、週末にスニーカー感覚でジャブジャブ丸洗いしてスッキリさせよう!」と思われた方、ちょっと待ってくださいね。

実は、バッシュをバケツの水にドボンと水没させてゴシゴシ洗うのは、ナイキが誇る精密なクッション構造やアッパーの編み込み素材を傷め、ソールがベロリと剥がれる「加水分解」という最悪の自滅を招く一番の地雷なんです。私自身、過去に子供の宝物だったバッシュを良かれと思って丸洗いし、ソールを崩壊させて大泣きされた苦い失敗データを持っています。

でも、大丈夫ですよ。お気に入りの大切な一足を傷つけることなく、染み付いた汗と強烈な臭いだけを根本から消し去り、コートを掴むグリップ力や足に吸い付くようなフィット感を新品同様に蘇らせる「水に浸さない正しい洗い方」があるんです。今回は、私が20年の洗濯戦記の中でたどり着いた、大切なギアを守り抜くための非破壊洗浄のコツを、分かりやすく丁寧にお伝えしますね。

カヨ
カヨ
【結論】バッシュは水没厳禁!泡クレンジングと温水たたき出しが正解です
大切なナイキのハイテク構造を水と熱のダメージから守りつつ、重曹と中性洗剤の力でインソール奥の強烈な足汗臭と皮脂汚れだけを狙い撃ちで消し去ります。
時短・応用テクニック
1.使い古しの歯ブラシで代用
デリケート素材専用のブラシがない時は、使い古した極細毛の歯ブラシや柔らかい洗顔ブラシで代用できます。フライニットなどの繊細な編み込みを引っ掛けないよう、力を入れずに優しく円を描くように表面をなぞってくださいね。
2.おしゃれ着洗剤で「自作の泡」
専用の起泡型クリーナーがなくても、お家にあるおしゃれ着用の中性洗剤をぬるま湯で極限まで濃く泡立てれば大丈夫。水分が靴の中に染み込まないように、洗面器の表面に浮いたもこもこの「泡だけ」をすくい取ってアッパーに乗せるのがコツです。
3.家庭用扇風機でピンポイント乾燥
専用のサーキュレーターがなければ、家庭用の扇風機を「強風」にして使いましょう。バッシュの履き口を限界まで大きく広げて、風がダイレクトにインソールの最深部にぶつかるように角度を固定して風を送り続けてください。
4.中和工程を水拭きでカバー
仕上げのクエン酸がない場合は、ぬるま湯で固く固く絞ったマイクロファイバータオルでの「押し叩き」を、通常より2回多く行ってください。残った洗剤成分やアルカリ成分を物理的に限界までタオルに吸い取らせて回収します。

※これは「今を乗り切る」ことを優先した、代用ありの**「65点」**ルートです。適度な手抜きは継続のコツですが、お気に入りの一着を「新品のような輝き」に戻すなら、やっぱり本編の100点の手法が正解。一段上の仕上がりを体感したい方は、ぜひこのまま本編を読み進めてみてくださいね。

ナイキのバッシュは水没NG!泡と温水で洗うのが正しい復活術

「汚れた靴は洗剤を溶かした水にドブ浸けして、硬いブラシでゴシゴシ擦る」というイメージがあるかもしれません。キャンバス地などの一般的なスニーカーならそれでも耐えられますが、ナイキのハイテクバッシュにその洗い方を適用すると、一発で寿命を縮める決定打になってしまいます。

ナイキのバッシュには、衝撃を吸収する「エア(Air)」ユニットや、驚くほど軽くて強い編み込み技術である「フライニット」、足をホールドする合成皮革や樹脂パーツなど、複雑で繊細な最新テクノロジーがこれでもかと詰め込まれています。これらの異素材同士を強力につなぎ止めているのが構造用の接着剤なのですが、実はこの接着面は「大量の水」と「過剰な熱」にとても弱い性質を持っているのです。

バケツに長時間ドブ浸けしてしまうと、ソールに使われているポリウレタンという素材が水分と結びついてボロボロに崩壊する「加水分解」という現象が静かに、そして急激に始まってしまいます。さらに、洗った後に「早く乾かしたいから」とドライヤーの熱風を当てたり、コインランドリーの高温乾燥機に入れたりすると、接着剤がドロドロに軟化してしまい、コートで強く踏み込んだ瞬間にソールがペロリと剥がれる大事故に繋がりかねません。

また、お家での手入れで強力な粉末のアルカリ洗剤を使ったり、すすぎが不完全で洗剤成分が繊維の中に残ったりすると、繊維がカチカチに硬化して、お気に入りのフライニットがキシキシと嫌な摩擦音を立てる原因にもなります。だからこそ、ナイキのバッシュに必要なのは、全体を濡らす水没洗浄ではなく、表面の汚れを泡で浮かせ、インソール奥の汗と臭いだけをぬるま湯で狙い撃ちして抽出する「非破壊洗浄」なのです。手荒れが気になる方は、念のためゴム手袋を着用して、風通しの良い換気ができる場所で作業を始めてくださいね。

参考:消費者庁「新しい洗濯表示」

主要4シリーズの特徴と洗うときのリスクマトリクス

ひとくちにナイキのバッシュと言っても、シリーズによって使われている素材や構造は全く異なります。すべてのモデルを同じように洗ってしまうと、デリケートな編み込み素材を毛羽立たせてしまったり、肉厚なパッドに水分を閉じ込めて生乾き臭を悪化させたりする原因になります。まずは、お手持ちのバッシュがどのタイプにあたるのか、以下の特性表でチェックしてみましょう。

シリーズ名 アッパーの主な素材 洗うときのスレ注意度 乾きやすさ お手入れの警告ポイント
エアジョーダン からみ織、天然皮革、スエード 極めて高い 普通(レザー部は遅い) 露出したエアユニット周辺の水分残留による接着剥がれに厳重注意。
レブロン 立体メッシュ、厚手インナーパッド 中~高 遅い(水分を吸い込みやすい) 足首周りの肉厚パッドに湿気が残りやすく、生乾きによる雑菌繁殖リスク大。
カイリー コーティング樹脂、二重ブーティー 普通(編み込み部は注意) 極めて遅い ホールド感抜群の二重構造が水を内部に閉じ込めるため、水没は絶対に避ける。
ズームフリーク 超薄型メッシュ、合皮 中~高 速い(水分が抜けやすい) アッパーが薄く自立する力が弱いため、型崩れしないよう保形して乾燥させる。

ローカットの一般的な街履きスニーカーと違い、激しいステップやジャンプを支えるバッシュは、足首を固定するための分厚いウレタンフォーム(アンクルパッド)が内蔵されていたり、型崩れを防ぐために硬い樹脂プレートがデリケートなニット素材と隣接していたりします。この「硬い樹脂」と「柔らかいニット」の境界線を硬いブラシでガシガシ擦ってしまうと、一瞬で極細の糸が引っかき出されて破断し、外観もホールド力も台無しになってしまうのです。そのため、シリーズごとの弱点を意識しながら、次からの具体的なプロセスで優しくケアしていきましょう。

カヨ
カヨ

我が家の長男がレブロンを履き潰していた時、練習後のシューズ内はまるでサウナ状態でした。この肉厚なアンクルパッド、一度ドブ浸けして水分を吸わせちゃうと、北陸の湿気の中では本当に何日経っても芯まで乾かないんです。だからこそ、中に水を入れないアッパーの表面洗浄が命になります!

アッパー表面の汚れを落とす低水分泡クレンジング

それでは、いよいよバッシュを復活させる実践ステップに入りましょう。最初のステージは、アッパー表面に付着した埃や泥、そしてコートとの摩擦でついた汚れを、水分を最小限に抑えて落とす「泡クレンジング」です。ここで活躍するのが、柔らかい豚毛を100%使用したデリケート素材専用のプレミアムブラシと、水を使わずにその場で自らもこもこと泡立つ自己起泡型の専用クリーナー(ジェイソンマークなど)です。これらを使って、アッパーの繊維を一切傷つけずに外観をリセットしていきます。

まずは準備として、シューレース(靴紐)をすべて外します。外せるタイプのインソール(中敷き)なら、この段階で抜いておきましょう。外した靴紐は小さな洗濯ネットに入れて、他の練習着と一緒に温水で洗濯機に放り込んでしまえば手間なく真っ白に洗えますよ。次に、まだ何も濡らしていない乾いた状態のプレミアムブラシを使い、アッパー全体の編み目やアウトソールの細かい溝に詰まった乾いたホコリやチリを、優しくシャッシャッと掻き出します。この「乾式ブラッシング」を最初に入念に行うことで、後から泡を乗せた時に泥を繊維の奥へ滲み込ませてしまう悲劇を防ぐことができます。

表面のホコリが払えたら、乾いた豚毛ブラシの毛先に、直接クリーナーの泡を適量乗せます。ここで水は一切加えません。泡を乗せたブラシをアッパーのメッシュやフライニット部分に当て、小さな円を描くように優しく滑らせていきます。樹脂の補強パーツとの境界線は、糸引きが起きやすい警戒区域なので、特に力を抜いて優しくいたわるようにブラッシングしてください。クリーナーのキメ細かな泡が、繊維の奥に絡みついた汚れを包み込んで、自然と表面に浮き上がらせてくれます。これは、お顔のメイクをクレンジングオイルで優しく浮かせる感覚と全く同じです。

全体に泡が行き渡り、汚れが浮き出てきたら、時間が経って水分が中に染み込んでしまう前に、乾いた清潔なマイクロファイバータオルを押し当てて、泡ごと汚れをしっかりと拭き取ります。ゴシゴシ擦るのではなく、タオルに泡を「吸い取らせる」ようにポンポンと叩くのが、ニットの毛羽立ちを防ぐ最大のコツです。このタオルの指先に、ねっとりとしたベタつきを感じなくなれば、表面の油分や汚れが綺麗に回収されたサインです。これで、シューズの内部に余分な湿気を通すことなく、アッパー表面のクレンジングが完璧に完了しました。

あわせて読みたい:サンダル洗い方|ラバーの臭いと劣化を防ぐ理系ママの非破壊洗浄術

水に弱いラバーや合成樹脂のパーツを、劣化させずに守りながら洗うための共通のコツを詳しく解説しています。

インソール奥の強烈な足汗臭を消し去る温水たたき出し

表面が綺麗になったら、次はいよいよ一番の難敵である「インソール奥に染み込んだ強烈な足汗の臭いと皮脂汚れ」を撃退していきましょう。バッシュの履き口からツンと漂うあの酸っぱい悪臭は、繊維の奥に蓄積した足汗成分をエサにして雑菌が繁殖している証拠です。だからといって、ここでバケツの水にドボンと浸けてしまうと、肉厚なアンクルパッドやソール内部に水が閉じ込められてしまい、今度は生乾き臭という新たな絶望を招いてしまいます。

そこで行うのが、水を最小限に抑えつつ汚れを狙い撃ちで引き出す「温水たたき出し」です。まず、40度から50度くらいのぬるま湯1リットルに対し、おしゃれ着用の中性洗剤を大さじ1杯、そして重曹を小さじ1杯(約5グラム)溶かした「特製消臭温水」を洗面器に用意します。このぬるま湯の温度がとても重要で、冷たい水では頑固に固まっている足汗の皮脂汚れを、じんわりと緩めて溶かし出すために必須の条件になります。例えるなら、お皿についた冷めてカチカチのバターもお湯をかけると一瞬でサラサラと溶け出しますよね。あのイメージです。

この温水を柔らかいブラシや吸水スポンジに少しだけ含ませ、インソールの奥、特に指の付け根が当たる部分や、アンクルパッドの裏側に優しく押し当てるようにして局所的に浸透させます。全体を濡らすのではなく、汚れている部分だけを湿らせるのがポイントです。次に、ブラシを垂直にトントンと上から「優しく叩く」ように動かします。ゴシゴシ擦るのではなく叩き出すことで、泡と温水が繊維の奥まで届き、蓄積した塩分や皮脂をスムーズに包み込んで外へ引っ張り出してくれます。

汚れが浮き出てきたら、今度は綺麗なぬるま湯に浸して固く固く絞ったマイクロファイバータオルを用意し、同じように内部を繰り返し押し叩きます。浮き出た汚れや洗剤成分を、タオルの繊維にすべて吸い取らせて回収するのです。これを2〜3回繰り返すうちに、指先で触った時のねっとりした湿り気が消えて、すっきりとした感触に変わっていきます。この指先の感覚こそ、繊維の奥から汗の成分が綺麗に抜け切ったサインなんですよ。

あわせて読みたい:サッカーユニフォーム洗い方決定版|泥と臭いを理系ママが科学で完全復元

大量の汗と強烈な臭いが染み込んだスポーツギアを、生地を傷めずに根本から消臭する科学的なアプローチを詳しく紹介しています。

重曹が汗の酸っぱい臭いを化学反応で消し去る理由

ここで「なぜ消臭スプレーではなく重曹なの?」と疑問に思う方もいますよね。市販の消臭スプレーの多くは、悪臭の上から別の強い香りを被せてゴマかす方法(マスキング)なので、時間が経つと汗の臭いと混ざり合ってさらに奇妙な臭いになってしまうことがあります。しかし、弱アルカリ性の性質を持つ重曹は、バッシュに染み付いた酸性の悪臭原因(イソ吉草酸など)と出会うと、その場で「酸とアルカリの中和反応」を起こしてくれるのです。

これは、キッチンの生ゴミに重曹を振りかけると一瞬で嫌な臭いが消えるのと同じ仕組みです。中和された悪臭成分は、空気中に飛び出すことができない無臭の成分(塩)へと化学的に姿を変えてしまいます。つまり、臭いを隠すのではなく、臭いの原因物質そのものを科学の力で「なかったこと」にしてしまうため、バッシュの奥底からすっきりとした無臭状態を取り戻すことができるのですね。

クエン酸仕上げで白っぽい黄ばみとキシみを防ぐ

重曹を使って汗の臭いをスッキリ消し去った後に、もうワンステップだけ大切な仕上げがあります。それが「クエン酸」を使ったアルカリ成分のリセット工程です。重曹でお手入れした後に、もしシューズが白っぽく黄ばんでしまったり、乾いた後に繊維がキシキシと硬くなってしまったら悲しいですよね。これは、すすぎ切れずに残った重曹のアルカリ成分が、お日様の紫外線と反応して素材を傷めてしまったり、繊維の中で結晶化して突っ張ってしまうことが原因です。

これを防ぐために、コップ1杯(約200ミリリットル)の水にクエン酸を小さじ半分ほど溶かしたマイルドな酸性水溶液を作ります。これを綺麗な布に浸して固く絞り、先ほど重曹ケアをしたインソールやアッパーの境界線をポンポンと優しく叩くようにして拭き上げてください。これは、石鹸シャンプーで髪を洗った後に、レモン汁や専用のリンスをなじませると、髪がフワッとサラサラに戻るのと全く同じ原理です。酸性のクエン酸が残ったアルカリ成分を瞬時に中和してくれるので、乾燥した後の不快なキシみ現象をなくし、黄ばみのリスクからも大切なバッシュをしっかりと守ってくれます。

ソールの加水分解を防ぐサーキュレーター大風量乾燥

汚れと臭いが綺麗に抜けたら、最後の最も重要な関門である「乾燥」のステージです。どれだけ丁寧に洗っても、乾かすのに何日もかかってしまっては、シューズの内部で再び雑菌が繁殖して悪臭が戻ってしまいますし、水分がずっと残ることでソールのポリウレタンが「加水分解」を起こしてボロボロになってしまいます。だからといって、熱風を当てるのは接着剤をドロドロに溶かしてしまうため絶対に厳禁。バッシュの乾燥に求められるのは、熱を一切かけずに水分だけを弾き飛ばす「常温の超スピード乾燥」なのです。

まず最初に行うのが、水分を紙に吸い取らせる予備脱水です。シューズの内部に、くしゃくしゃに丸めた新聞紙やキッチンペーパーを隙間なくぎゅうぎゅうに詰め込みます。こうすることで、アンクルパッドのウレタンフォームなどに残った水分が、毛細管現象によってペーパー側へと吸い上げられていきます。約20分ほど経ったら、水分をたっぷり吸ったペーパーをすべて抜き取ってください。これだけで、内部の水分をかなり減らすことができます。

ペーパーを抜いたら、シュータン(ベロ)を外側へ大きく引っ張り出して、バッシュの履き口をこれ以上ないというくらい最大限に広げます。そこに、大風量をピンポイントで送り込めるサーキュレーターを配置します。置き方のコツは、シューズの履き口から30センチから50センチほど離した位置にセットし、強力な螺旋気流がバッシュのインソール最深部にダイレクトに衝突するよう、斜め上を向けて固定することです。風が内部の湿った空気を強制的に追い出し、常に乾いた空気を送り込み続けることで、驚くほどの速さで乾燥が進行します。

作業は必ず、直射日光の当たらない風通しの良い「日陰(日かげ)」で行ってくださいね。太陽の紫外線はアッパーの合成繊維を劣化させ、大切なソールの黄ばみを引き起こす原因になります。熱を加えず、サーキュレーターによる気流の力だけで乾かすこの方法は、素材の接着剤を痛めることなく、雑菌が増え始める前に数時間でシューズ内部をカラカラに乾かし切る、最も安全で理にかなった物理防壁なのです。

参考:独立行政法人 製品評価技術基盤機構(NITE)「洗濯機の事故防止と汚れについて」

スペシャリストが実践するフィット感と機能の復元術

ここからは、バッシュの特性を知り尽くしたスペシャリストだけが実践している、コートでのパフォーマンスを格段に引き上げる特別な復元テクニックをご紹介します。単に見ためを綺麗にするだけでなく、バッシュ本来の持つ「足を支える力」や「コートを掴むグリップ力」を新品のレベルまで引き戻していきましょう。

あわせて読みたい:ゴルフグローブの洗濯方法|硬化を防ぎグリップ力を戻す理系ママの術

素材をカチカチに硬化させず、本来のしなやかさと滑らない摩擦力を取り戻すための復元ノウハウを解説しています。

インソール奥に固まった塩泥を掃き出す温水ケア

バッシュを何ヶ月も履き続けていると、インソールの奥底、特に親指や小指の付け根が当たる部分に、灰色や黒色のカチカチに固まった堆積物ができてしまうことがあります。これは、足汗に含まれる「塩分」と、コートのホコリや微細なチリがシューズ内部で融合して固まった、現場で「塩泥(えんどろ)」と呼ばれる厄介な汚れです。これが固まると、ステップを踏むたびに足裏にヤスリが当たっているような状態になり、靴下を破いたりインソール自体をボロボロに摩耗させる原因になります。

これを綺麗に取り除く裏技として、45度ほどの温水をしっかり浸した吸水スポンジを、そのカチカチの部分に約5分間じっくりと押し当ててみてください。熱の力で塩分が熱力学的に再溶解し、固まっていた泥がみるみる柔らかくなっていきます。泥がふやけた瞬間に、毛先の柔らかいハブラシを使って、「かかと側からつま先側に向けて一定方向に優しく掃き出す」ように動かします。円を描くように擦ると汚れが広がるので注意してくださいね。最後に乾いたマイクロファイバータオルで水分ごと一気に吸い取れば、インソールの繊維を痛めることなく、頑固な塩泥を完全に消滅させることができます。

セーターの縮みを応用したニット素材の引き締め術

ナイキの「フライニット」や「からみ織」といった編み込みアッパーは、軽くて最高の履き心地を提供してくれますが、激しい方向転換や急ストップを何ヶ月も繰り返すうちに、繊維が少しずつ物理的に引き伸ばされ、新品の時にあった「足にピタッと吸い付くようなホールド感」がどうしても緩んできてしまいます。これをお家で驚くほど引き締め直す裏技があります。それは、ウールのセーターを温水で洗うと繊維がキュッと縮む原理を、合成繊維のバッシュに応用した熱収縮フィッティング復元術です。

やり方はとてもシンプル。お手入れの際、45度から50度くらいの少し熱めのお湯に浸して固く絞ったタオルを、伸びが気になるアッパーの中足部サイドエリアなどに約3分間ギューッと押し当てて、適度な熱ストレスを与えます。ポリエステルなどの合成繊維でできたニット素材は、一定の穏やかな熱を加えることで、引き伸ばされていた繊維の分子が元の安定したカタチに戻ろうとする性質(熱収縮)を持っています。熱を当てた直後に、形が崩れないようシューズの中にシューキーパーや丸めた紙を適切な形に詰め込み、先ほどのサーキュレーターの冷風で一気に急冷乾燥させます。この「温熱で緩める→形を整える→冷風で固定する」というプロセスを経ることで、伸びきっていたアッパーがキュッと引き締まり、新品時に極めて近い抜群のフィット感が力強く復活しますよ。

バッシュの性能を100%引き出すお手入れ道具の基準

ここまでご紹介した非破壊洗浄を失敗なく行い、ナイキのハイテク機能を100%長持ちさせるためには、使用する洗剤や道具の選び方にも大切な基準があります。間違った道具を選んでお気に入りのギアを傷つけてしまわないよう、用途別の正しい選定ポイントをマトリックス表にまとめました。お家にあるものや一般的な道具を選ぶ際の参考にしてくださいね。

アイテムカテゴリ 推奨する具体的な基準・成分 バッシュへのメリット 避けるべきNGアイテム
メイン洗剤・クリーナー 自己起泡型の中性クリーナー、またはおしゃれ着用中性洗剤 接着剤を溶かさず、フライニットの繊維を柔らかく保ちます。 強アルカリ性の粉末洗剤(繊維が硬化しキシみの原因に)
消臭・仕上げ成分 食品グレードの重曹粉末 & 結晶クエン酸(中和用) 酸性の足汗臭を化学反応で根本から無臭化し、黄ばみを防ぎます。 香りの強い柔軟剤や塩素系漂白剤(素材が変色・脆化します)
ブラッシング道具 天然の豚毛100%ブラシ、または極細毛の使い古しハブラシ 繊細な編み込みや樹脂パーツの境界線を引っ掛けずに洗えます。 硬いナイロン製の靴ブラシ(一瞬でニットが毛羽立ちます)
乾燥・調湿ギア 指向性の高いサーキュレーター & 保管用シリカゲル 常温の大風量で水分を飛ばし、エアユニット周辺の結露を防ぎます。 ドライヤーの温風・衣類乾燥機(接着剤が溶けてソールが剥がれます)
カヨ
カヨ

道具選びで迷ったら、とにかく「アッパーを傷つけない優しい毛先」と「熱をかけない空気の力」を意識してくださいね。お家にある一般的な重曹やクエン酸も、この基準さえ守ればプロ顔負けの最強の機能再生ツールに化けてくれますよ!

正しい非破壊洗浄で大切なバッシュを限界まで長く履こう

ナイキのハイテクバッシュの寿命を最大限に伸ばし、コートの上で常に100%のパフォーマンスを発揮するための鍵は、水分と熱を完璧にコントロールする「非破壊洗浄」と、汗の臭いを根本から解体する「酸塩基中和消臭」の徹底的な融合です。激しいカッティングや跳躍を支える精密なギアだからこそ、これまでの間違ったジャブジャブ丸洗いを卒業して、科学的な視点を取り入れた優しいケアを施してあげることが大切なんですね。

ただ、もし何シーズンも履き続けてアッパーのニット繊維自体が物理的に擦り切れてしまっていたり、すでにミッドソールのポリウレタンが完全に加水分解してしまってボロボロと崩れている場合は、お家での洗浄で復活させるのはどうしても限界があります。限定モデルや思い入れのある大切な一足で、どうしても諦めきれない時は、無理に自力で接着しようとせず、スポーツシューズの修理を専門に扱っているプロの職人さんに相談してみるのも、愛着のあるギアを本当に大切にするための立派な正解ですよ。

バッシュは、コートの上で自分の身体の一部となって激しいプレーを足元から支えてくれる、最も信頼すべき最高の相棒です。あなたが心を込めて正しい手入れをしてあげれば、シューズはその分、抜群のグリップ力と心地よいホールド感で必ず応えてくれます。お気に入りのナイキのバッシュが、その天寿を全うする最後の瞬間まで最高の輝きを放ち続けられるように、ぜひ今週末のケアからこのワクワクする実験のような非破壊洗浄を試してみてくださいね。あなたの足元から、生乾きの絶望がすっきりと消え去ることを心から応援しています!

タイトルとURLをコピーしました